2011年5月22日日曜日

来週の東京外国為替市場見通し=ドル・円は軟調か、弱い米指標受けた一段の米金利低下を警戒

予想レンジ:1ドル=80円33銭-83円00銭

23日からの週、ドル・円は軟調か。米金利が低下基調を続ければ、ドル・円の重しとなろう。米金利動向をみるうえでは、米経済指標に注目。24日に4月米新築住宅販売件数、26日に1-3月期米実質GDP(国内総生産)改定値、週次の米新規失業保険申請件数が発表される。足元では市場予想より悪い内容の米経済指標が多く、米景気先行きに対する懸念が一段と強まっている。来週発表の米指標も市場予想より弱い結果となれば、米金利がさらに低下してドル・円に下押し圧力がかかるだろう。

19日発表の週次の米新規失業保険申請件数は市場予想より強い数字となってドルが買われただけに、26日発表の同指標については米金利とドルを押し上げるシナリオも考えられる。ただ、米雇用に関しては6月3日発表の5月米雇用統計を見極めたい向きも多いとみられ、新規失業保険申請件数だけを材料にドルを積極的に買う展開にはならないと予想する。

また、足元で乱高下している原油価格の動向も見逃せない。「NY原油先物価格は上値が重くなっている。より調整色を強めれば、投資家のリスク許容度が低下して円買いが進みやすい」(大手証券)との指摘が出ていた。欧州系銀行では、「米国以外でも悪い内容の経済指標が目立っている国が複数みられる。世界経済の成長が鈍化するとの見方から各国株式が下落すれば、リスク回避目的で円が買われる可能性がある」と語った。

ドル・円は19日のNY時間に一時82円20銭まで上昇し、4月28日以来3週間ぶりの高値を付けた。しかし、「ドル・円はテクニカルの重要ポイントがある82円台半ばを上抜けするまでは下方向でみている」(前出の欧州系銀行)との声が聞かれた。82円台では日足一目均衡表の「雲」の上限が位置する82円56銭など複数の上値抵抗線が控えており、ドル・円の大幅上昇は見込みにくい。大手金融機関では、「ドル・円はかなりボラティリティー(変動性)が低くなっている。市場ではレンジでの取引が続くとの見方が強いだけに、82円台後半では輸出企業や投資家のドル売りが流入するとみる」と話した。一方、下値メドは13日の安値80円33銭を想定している。

なお、26-27日にはフランスでG8(主要8カ国)首脳会議が開催されるが、原子力発電所の安全性などが議題になるとみられており、為替相場では材料視されにくいだろう。(坂本浩明)

提供:モーニングスター社

2011年5月8日日曜日

来週の東京外国為替市場見通し=ドル・円は下値模索か、米雇用統計後も米指標の下ブレ警戒

予想レンジ:1ドル=78円50銭-81円99銭

9日からの週、ドル・円は下値模索か。来週のドル・円の値動きについて考えるうえでは、6日発表の4月米雇用統計の結果が重要となる。足元で弱い米経済指標が相次いでいるため、マーケットでは雇用統計も市場予想より弱い内容となることを警戒する向きがある。「雇用統計がネガティブサプライズとなれば、来週はドル・円が79円を割り込む展開も想定される」(外為アナリスト)との指摘が出ていた。

ドル・円は5日に一時79円61銭まで下落し、G7(主要7カ国)による協調介入が実施された3月18日以来約1カ月半ぶりの安値を付けた。大手証券では、「12日に発表される4月米小売売上高などの米経済指標が引き続きドル売り要因となる可能性がある」と話した。

一方、6日の雇用統計で強い数字が出ればドルの買い戻しが進むことも考えられる。ただ、その場合でもドル・円の上昇は限定的となろう。4月分の雇用統計が良好となっただけでは、FRB(米連邦準備制度理事会)が早期に出口戦略に向かうとの期待は高まらないとみられるためだ。上値メドとしては、3月17日に付けた戦後最安値の76円25銭から4月7日の高値85円54銭までの上げ幅の38.2%(黄金分割)押しの水準となる81円99銭をみている。

米金利動向も注視したい。米10年債利回りは5日までに6営業日連続で低下し、3月17日以来の3.2%割れとなった。来週は米国債入札が相次ぐ。10日に3年債、11日に10年債、12日に30年債の入札が予定されている。入札前のポジション調整で米金利が一時的に上昇するリスクはあるが、米金利低下の大きな流れは変わらないとみられ、引き続きドル・円の重しとなるだろう。

ドル・円が急落する場面では、日本の当局による為替介入をめぐる思惑が高まりやすい。市場では、「ドル・円が短時間で急落すれば、過度な為替変動を阻止する目的で介入が実施されても不思議ではない。逆にジリジリとドル安が進む場合、当局は動きにくい」(前出の外為アナリスト)との声が聞かれた。

ユーロや高金利通貨の動向も見逃せない。5日の海外時間にはNY原油先物価格の大幅下落で投資家のリスク許容度が低下、ユーロや高金利通貨に強い売り圧力が掛かった。来週は11日に中国の4月経済指標、13日にユーロ圏の1-3月期実質GDP(域内総生産)速報値が発表される。これらの指標の下ブレをきっかけに投資家のリスク回避姿勢が一段と強まれば、クロス円のさらなる下押し要因になると予想する。(坂本浩明)

◎関連情報は投資の参考として情報提供のみを目的としたものであり、為替取引に当たっては自己責任に基づき、ご自身で判断をお願いします。なお、当該記事は日本時間6日午後4時30分時点の情報をもとに作成しました。

提供:モーニングスター社