2011年5月8日日曜日

来週の東京外国為替市場見通し=ドル・円は下値模索か、米雇用統計後も米指標の下ブレ警戒

予想レンジ:1ドル=78円50銭-81円99銭

9日からの週、ドル・円は下値模索か。来週のドル・円の値動きについて考えるうえでは、6日発表の4月米雇用統計の結果が重要となる。足元で弱い米経済指標が相次いでいるため、マーケットでは雇用統計も市場予想より弱い内容となることを警戒する向きがある。「雇用統計がネガティブサプライズとなれば、来週はドル・円が79円を割り込む展開も想定される」(外為アナリスト)との指摘が出ていた。

ドル・円は5日に一時79円61銭まで下落し、G7(主要7カ国)による協調介入が実施された3月18日以来約1カ月半ぶりの安値を付けた。大手証券では、「12日に発表される4月米小売売上高などの米経済指標が引き続きドル売り要因となる可能性がある」と話した。

一方、6日の雇用統計で強い数字が出ればドルの買い戻しが進むことも考えられる。ただ、その場合でもドル・円の上昇は限定的となろう。4月分の雇用統計が良好となっただけでは、FRB(米連邦準備制度理事会)が早期に出口戦略に向かうとの期待は高まらないとみられるためだ。上値メドとしては、3月17日に付けた戦後最安値の76円25銭から4月7日の高値85円54銭までの上げ幅の38.2%(黄金分割)押しの水準となる81円99銭をみている。

米金利動向も注視したい。米10年債利回りは5日までに6営業日連続で低下し、3月17日以来の3.2%割れとなった。来週は米国債入札が相次ぐ。10日に3年債、11日に10年債、12日に30年債の入札が予定されている。入札前のポジション調整で米金利が一時的に上昇するリスクはあるが、米金利低下の大きな流れは変わらないとみられ、引き続きドル・円の重しとなるだろう。

ドル・円が急落する場面では、日本の当局による為替介入をめぐる思惑が高まりやすい。市場では、「ドル・円が短時間で急落すれば、過度な為替変動を阻止する目的で介入が実施されても不思議ではない。逆にジリジリとドル安が進む場合、当局は動きにくい」(前出の外為アナリスト)との声が聞かれた。

ユーロや高金利通貨の動向も見逃せない。5日の海外時間にはNY原油先物価格の大幅下落で投資家のリスク許容度が低下、ユーロや高金利通貨に強い売り圧力が掛かった。来週は11日に中国の4月経済指標、13日にユーロ圏の1-3月期実質GDP(域内総生産)速報値が発表される。これらの指標の下ブレをきっかけに投資家のリスク回避姿勢が一段と強まれば、クロス円のさらなる下押し要因になると予想する。(坂本浩明)

◎関連情報は投資の参考として情報提供のみを目的としたものであり、為替取引に当たっては自己責任に基づき、ご自身で判断をお願いします。なお、当該記事は日本時間6日午後4時30分時点の情報をもとに作成しました。

提供:モーニングスター社