2011年6月18日土曜日

来週の東京外国為替市場見通し=ユーロに下値不安、ギリシャ新内閣の信任投票がカギ


予想レンジ:1ドル=79円67銭-81円06銭

20日からの週は、ユーロに下値不安がくすぶる。ギリシャ問題をめぐる各当事者の動向が最重要。一部報道によると、17日に発表されたギリシャの新内閣に対する信任投票が現地時間21日夜に実施される見通し。与党は国会で過半数を維持しているが、足元では政府の政策に反対して離党する与党議員も出ている。離党の動きが加速すれば信任案が否決されることも考えられる。その場合はギリシャ向けの金融支援をめぐる事態がさらに混乱し、ユーロ売りがいっそう強まるだろう。

大手金融機関では、「このところ、ユーロ安の進行を見込んだオプション取引の需要が高まっている。ユーロ・ドルは1.4ドルの大台を割り込むこともあり得る」と話した(ユーロ・ドルは日本時間17日午後4時現在、1.4170ドル近辺で推移)。

もっとも、19-20日にユーロ圏財務相会合、23-24日にEU(欧州連合)首脳会議の開催が予定されており、これらの会合でギリシャの支援策をめぐる議論に進展がみられればユーロが底堅く推移することも予想される。欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)は16日に総額1100億ユーロ(約12兆5000億円)のギリシャ向け金融支援のうち第5弾となる120億ユーロの融資を19-20日のユーロ圏財務相会合で決定すると発表。実際に同融資の実施が決まれば、ギリシャの当面の資金繰り問題は解決される見込みのため、いったんユーロが買い戻される可能性がある。

ドル・円はレンジ相場か。直近の高値(15日の高値81円06銭)と安値(8日の安値79円67銭)の間で推移すると予想する。「来週もギリシャ問題とユーロの動向が焦点になるとみられ、ドル・円は動意に乏しい展開となろう」(前出の大手金融機関)との見方があった。

21-22日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催される。6月末でQE2(第2次量的緩和)が終了することもあり、FRB(米連邦準備制度理事会)が7月以降の金融政策についてどのような方針を示すかが注目される。

ただ、市場では、「今回のFOMCでドル・円が大きく動くような材料は出ない」(同)といった声が複数聞かれた。「FRBがQE3(第3次量的緩和)の実施を迫られるほど米景気は悪くない。一方で、米経済の減速懸念がくすぶるなかで、FRBがQE2によって市場に供給した資金を回収に動くことを検討するとも思えない」(外為アナリスト)という。(坂本浩明)

◎関連情報は投資の参考として情報提供のみを目的としたものであり、為替取引に当たっては自己責任に基づき、ご自身で判断をお願いします。なお、当該記事は日本時間17日午後5時点の情報をもとに作成しました。

提供:モーニングスター社

2011年6月12日日曜日

為替週間見通し:オプション・トリガーへの売り仕掛けを警戒、米国の景況感に注視


6月11日(土)14時15分配信 フィスコ

■米国のソブリン・リスクと景況感悪化
ドル・円は、79円70銭から80円47銭で推移した。格付け会社フィッチ・レーティングスが米連邦債務の上限が8月2日までに引き上げられなければ、米国債の長期信用 格付け「トリプルA」を格下げ方向で見直すと発表したこと、バーナンキFRB議長が、米国経済成長は減速しており緩和的な金融政策を継続する必要があると発言したことで、79円70銭まで下落した。しかしながら、米国4月の貿易赤字が減少したことで80円47銭まで反発した。

■米国の景気動向を見極める
今後のドル・円は、米国のインフレ率、個人消費動向、企業景況感を見極めつつ、円高サイドのオプション・トリガーへの売り仕掛けに警戒する展開が予想される。

【米国の経済指標】
今後は、米国のインフレ率(生産者物価指数、消費者物価指数)、個人の景況感(小売売上高、ミシガン大消費者信頼感指数、景気先行指数)、企業の景況感(鉱工業生産、設備稼働率)、住宅指標(住宅着工件数、住宅着工許可件数)などが発表される。6月末での量的緩和第2弾(QE2)の終了を控え、次週の連邦公開市場委員会(FOMC)(6月21-22日)に向けた量的金融緩和の出口戦略を見極めることになる。

【本邦勢の円高ヘッジの動き】
ドル・円相場が80円を割り込んでも、日銀による円売り介入が実施されないことから、本邦機関投資家や本邦輸出企業による円高トレンドをヘッジする動きが強まりつつある。日銀による円売り介入の有無も要注意となる。

【オプション・トリガーへの売り仕掛け】
ドル・円の79円や78円には、大口のオプション・トリガーが控えており、米国の景況感悪化、米国のソブリン・リスク、米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和第3弾観測などを背景に、売り仕掛けの可能性が高まりつつある。

主な予定は、13日(月):(日)4月機械受注、日銀金融政策決定会合(14日迄)、14日(火):(日)4-6月期法人企業景気予測調査、日銀政策金利発表、白川日銀総裁会見、(中)5月鉱工業生産、5月小売売上高、5月消費者物価指数、5月生産者物価指数、(米)5月小売売上高、5月生産者物価指数、15日(水):(日)6月日銀金融経済月報、(米)5月消費者物価指数、6月NY連銀製造業景気指数、4月対米証券投資、5月鉱工業生産・設備稼働率、6月米住宅建設業者姿勢(NHBA)、16日(木):(米)1-3月期経常収支、5月住宅着工件数・住宅着工許可件数、6月フィラデルフィア連銀業況指数、17日(金):(日)日銀金融政策決定会合議事要旨(5/19-20)、
(米)6月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、5月景気先行指数。

[予想レンジ]
ドル・円79円00銭-83円00銭


《YT》
株式会社フィスコ

2011年6月4日土曜日

来週6月6日~6月10日のドル円予想



予想レンジ:1ドル=79円00銭-82円00銭

6日からの週のドル・円には下方圧力が掛かりそうだ。

5月30日からの週も、5月ISM(米サプライマネジメント協会)製造業景気指数、5月ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)全米雇用報告、週間米新規失業保険申請件数と市場予想より悪い米経済指標が相次いだ。米景気減速懸念は高まるばかりで、「市場はFRB(米連邦準備制度理事会)によるQE3(第3次量的緩和)を織り込みに行っている」(大手信託銀行)との声が出ている。3日に発表される5月米雇用統計が市場予想よりも弱い内容となれば、ドル売り・円買いが強まって1ドル=80円割れの水準から6日の取引がスタートする可能性も排除できない。

6日からの週は、FOMC(米連邦公開市場委員会)メンバーが相次いで発言を行う。特にバーナンキFRB議長、イエレンFRB副議長、ダドリーNY連銀総裁といったFOMCの中核をなすハト派メンバーが、今月末でのQE2終了を前に米景気の現状や金融政策の先行きについてどう発言するか注目される。8日には21日からのFOMCで議論のベースとなるベージュブック(米地区連銀経済報告)が公表される。一連のイベントを通じて、FRBによるQE3の実現度合いを見極める展開となりそうだ。

もっとも、3日の5月米雇用統計が市場予想よりも良好な結果となれば、米景気の先行きに対する過度な不安は後退し、ドル・円が上昇することも予想される。

しかし、3日にドル・円が上昇しても、上げ幅は限られるとみている。5月米雇用統計が良好ならば、投資家のリスク許容度が改善してドル売り・高金利通貨買いが強まると見込まれる。また、今回の米雇用統計が強い内容でも、FRBが直ちに出口戦略に向かう可能性は依然として低い。6日からの週の前半は米国の重要指標発表が予定されていないこともあり、利益確定のドル売り・円買いが流入しやすいだろう。

3日の東京時間には、1ドル=80円台後半で輸出企業のドル売りが観測されている。これらの輸出企業は、ドル・円の4月末以降のレンジの上限82円ちょうどまでの戻りを待たずにドル売りを出していたことになり、6日からの東京外国為替市場でもドル・円の上値を圧迫する要因となりそうだ。

一方、ユーロ圏では9日にECB(欧州中銀)理事会が開かれる。今回の会合では政策金利が1.25%で据え置かれるとみられている。市場の関心はトリシェECB総裁が7月の追加利上げの可能性を示唆するかに向かっているが、利上げ示唆があればユーロをサポートしよう。ユーロ・ドルは日足一目均衡表の「雲」の上限を明確に上回れば一段高が望める。

また、財政不安にあえぐギリシャをめぐり、20日のユーロ圏財務相会合を前に追加支援の具体策が報じられれば、ギリシャのソブリンリスクへの警戒感が一時的にせよ緩和に向かい、ユーロにはポジティブに働こう。

リスク要因は各国株式の動向。各国株式が下げ基調を強めれば、クロス円の下落を通じてドル・円には下げ圧力が掛かるだろう。(和田崇彦)

◎関連情報は投資の参考として情報提供のみを目的としたものであり、為替取引に当たっては自己責任に基づき、ご自身で判断をお願いします。なお、上記の見通しは日本時間3日午後5時時点の情報を元に作成しました。

提供:モーニングスター社

今週のまとめ5月30日から6月3日の週


2011/06/04 (土) 08:00
30日からの週は、ドル安の流れが中心だった。週末の米雇用統計を始め、米経済指標は市場予想を下回る結果が相次ぎ、市場には米景気回復への不透明感が強まった。利上げの時期が先延ばしになるとの見方や、追加緩和第3弾(QE3)への思惑も広がった。また、米債務上限枠の拡大を巡る議論が、米国債の格下げ懸念へと波及していることもドル安材料だった。日本にとっても格下げ方向への見通し、菅内閣への不信任案提出など不安材料が多かった。また、資源国通貨も米国の景気鈍化懸念がリスク回避へとつながり、売り圧力となった。一方、欧州にとってはギリシャ問題の進展が期待されていることもあり、ユーロは堅調に推移した。ドルスイスが史上最安値(スイスフランの最高値)を更新するなど、相対的に欧州通貨が堅調だった。

(30日)
東京市場では、ユーロが弱含んだ。始まりこそ先週のドル安の流れを受けてユーロドルは1.4335近辺と10日ぶりのレベルまで上昇したが、取引参加者が少ないなか買いも続かずじりじり値を落としていった。午後に入ると1.4260台まで下落している。ユーロドルの下落につれてユーロ円も早朝の115.70台から115.20台まで値を落としている。本日は英米市場が休場なので取引参加者は少なく、大きな値動きは見られなかった。ドル円は5・10日(ごとうび)ということもあって仲値にかけて80.90台まで買われたが、その後は上げ幅を縮小した。31日に米2年債と5年債の償還が583億ドルあり、ドル売り・円買いが入るのではとの観測も上値を抑えた。早朝、NZ4月の貿易収支が発表され単月では過去最高の黒字額となった。同指数を受けてNZドル/ドルは0.8160台から0.8180台に値を飛ばし、その後0.8210台と1985年3月の変動相場制移行後の高値を更新した。ただ買いが一巡するとじり安で推移し、午後に入りキーNZ首相が強いNZドルに懸念を表明すると指数発表前のレベルまで戻した。
ロンドン市場は、前週末のドル安水準での揉み合いだった。ロンドン勢がスプリング・バンクホリデー、ニューヨーク勢がメモリアルデーのため休場となり、閑散としたマーケットとなっている。ドル円は80.80近辺でこう着、ユーロ円は115.50近辺、ユーロドル1.4280-90レベルでの揉み合いが中心だった。ロンドン早朝にはユーロドルが一時1.4250台、ユーロ円が115.20近辺まで下押しする動きもあったが、欧州株が小幅高での安定した推移となると値を戻している。全般には、ドルスイスが再び0.85割れ、ドルカナダが0.9750近辺へとじり安となるなど、ドル安の圧力は継続している。東京序盤に0.82台乗せとなり変動相場制導入来の最高値を記録したNZドル/ドルも0.81台後半での底堅い推移だった。本日の海外市場で唯一注目されたカナダ経済指標、3月のカナダGDP、前月比は+0.3%(予想+0.2%)前年比は+2.8%(予想+2.6%)だった。第1四半期GDPは前期比年率+3.9%(予想+4.0%)だった。また、同時刻に発表されたカナダの第1四半期経常収支は89億加ドルの赤字(予想79億加ドル赤字)だった。カナダドルは発表直後にやや買われたが、次第に売りが優勢になっている。
NY市場は、メモリアルデーのため休場。

(31日)
東京市場は、ドル安が先行したあと、円安が進む展開となった。ユンケル・ユーログループ議長はEUがIMFによる対ギリシャ融資を確保するため同国に対する追加支援策を検討していると発言、またWSJによるとドイツはギリシャが新たな金融支援策を受けられるようにギリシャ償還期限延長を求める主張を取り下げる可能性を示唆した。報道を受けてユーロ高ドル安が進んだことからドルは全面安の様相となり、ユーロドルは1.4406近辺と11日以来3週間ぶりの高値を付け、ドル円は80.71近辺まで値を落とした。またポンドドルは5日に付けた高値に並んでいる。日本時間11:30前に、格付け会社ムーディーズが日本国債の格付け「Aa2」を引き下げ方向で見直すと報じられると円は急落した。ドル円は80.70台で推移していたが断続的に買われ81.39近辺まで上値を伸ばした。ドル円の上昇に伴いクロス円も上伸し、ポンド円は3日以来4週間ぶりとなる134.50台まで上げ幅を拡大している。ムーディーズは、日本国債の格付け見直しは3ヶ月以内に終える方針とし「見直しは、大半のケースで格下げにつながる」としている。また、10:00に発表されたNZ5月の企業信頼感は前回を大きく上回る強い数字だったこともありNZドル/ドルは最高値を更新した。
ロンドン市場は、ユーロ高および円安での推移。東京市場からの動きが継続している。ユーロドルは1.43台後半から1.44台へと上昇、一時1.4425レベルと本日の高値を付けた。ユーロ円も堅調で、117円台に乗せると117.80レベルまで高値を伸ばした。対スイスフランでの巻き返しも強まり、ユーロスイスは1.22台前半から1.23手前の水準へと上昇している。ユーロ高の背景としては、東京市場でのギリシャ救済関連の報道。ユンケル・ユーログループ議長はEUがIMFによる対ギリシャ融資を確保するため同国に対する追加支援策を検討していると発言、またWSJによるとドイツはギリシャが新たな金融支援策を受けられるようにギリシャ償還期限延長を求める主張を取り下げる可能性を示唆した。ロンドン市場に入ってからの材料はあまり目立たないが、ドラギ次期ECB総裁候補は、今後も物価安定を重視するタカ派路線の継続を示していた。経済指標ではドイツの5月失業率は7.0%と予想通り、失業者数は8千人減と予想3万人減ほど改善しなかったが、全体の失業者数は3百万人を割り込んでいた。5月ユーロ圏消費者物価指数速報値は2.7%と予想2.8%よりはやや落ち着いていた。ユーロドルは1.44近辺から1.43台後半、ユーロ円は117円台半ばから前半と、東京市場からの高値水準を維持している。ドル円は81円台前半から一時81.77レベルまで水準を上げた。東京昼前に発表されたムーディーズによる日本の格付け見通し、格下げ方向で見直し、とのニュースが素直に円売り圧力となった。ロンドン早朝にもムーディーズは、見直しは大半のケースで格下げにつながる、と述べている。
NY市場では、ギリシャ問題への懸念が後退し、海外市場の流れを引き継いでユーロ買い優勢で始まった。債務再編を回避しつつ、追加支援が実施されるとの期待感が高まった形。ただ、この日発表になった米経済指標が弱い内容となったことで、次第に景気回復への鈍化懸念が増し、ユーロは上げ幅を縮小する動きとなった。しかし、後半になって伸び悩んでいたNY株価が再び勢いを回復すると、ユーロも買戻しの動きも見られている。円相場も同様の動きで、米経済指標発表後、円買いの動きが見られたものの、後半は下げを取り戻す動きとなっている。ギリシャ懸念一服と景気の先行き懸念とが混在した動きとなった。ドル円は81.15近辺まで下落後、81円台半ばに戻す動き。ユーロ円も116円台に一時下落していたが、117円台に戻している。きょうはカナダ中銀の政策金利の発表があり、予想通りの据え置きとなった。しかし、声明では刺激策はいずれ解除の方向を示したことで、利上げ再開に含みを残す内容となった。これを受けカナダは買いが強まり、カナダ円も上昇を見せたが、米経済指標の発表がそれを打ち消している。カナダ経済は米経済と表裏一体との見方が広がった。

(1日)
東京市場は、ドルが軟調な展開。昨晩の米経済指標が軒並み予想を下回ったことからドルは売られやすく、ユーロドルは1.4444近辺と先月6日以来の水準まで上昇した。ドル円は81.50台から81.10台へとじり安。豪ドル/ドルが経済指標を受けて急伸したこともドル安の一因。ただ、豪ドルペアを除くと月初ということで全般的に様子見ムードが広がり取引は手控えられた。クロス円のレンジは大方50銭程度に留まっている。10:00に発表された中国5月の製造業PMIは前回よりは弱かったものの予想を上回り、また2009年3月から27ヶ月連続で50を上回ったことが好感され、中国との貿易関係が深いことから豪ドルに買いが入った。続く10:30には豪州第1四半期GDPが発表され前期比1.2%減と1991年第1四半期以来20年ぶりの落ち込み水準となった(予想は1.1%減)。ただ、市場ではより悪い内容を見込んでいた向きもあり発表直後から豪ドルは買われた。豪ドル/ドルは豪指標前の1.0670台から1.0740台に、豪ドル円は86.80台から87.30台にそれぞれ上値を伸ばしている。GDPの内訳で国内需要が1.3%増と2009年第4四半期以来の水準となり、内需が膨らんだことも買われた一因という。豪ドル/NZドルは昨日大きく売られたが本日は下げ分を取り消し1.29台前半から1.30台後半に反発した。
ロンドン市場は、スイス買いとポンド売りが目立った。スイス4月実質小売売上高は前年比+7.5%、前回-0.2%から改善した。さらに、5月SVME購買部協会景気指数は59.2と市場予想57.5および前回4月58.4を上回る結果だった。スイスフラン買いの動きが広がり、ドルスイスは0.85台前半から0.84台後半へと下落。取引中盤にかけては0.8440台と史上最安値を更新している。一方、5月の英CIPS製造業PMIは52.1と市場予想54.1および前回4月54.6(修正後54.4)を大幅に下回った。1.65近辺へと堅調に推移していたポンドドルは一気に1.64割れまで急落。なお、ドル円は81円台前半での揉み合いが続いている。菅政権への内閣不信任案が提出される波乱の状況となっているが、円相場の反応は限定的。ユーロにとってはギリシャ救済を巡る報道が波乱材料だった。ロンドン序盤に独紙FAZが、現時点でIMFが6月末に予定されている対ギリシャ支援の第5トランシェを支払わない可能性高い、と報じたことでユーロ売りが強まった。ただ、同紙によると、新規プログラムへのIMFの参加が想定される、としており、ユーロは即座に買い戻された。ユーロドルは1.44台前半から一時1.44割れへと急落したが、その後は1.4448レベルとこの日の高値を付けている。ただ、1.44台半ばは重く、その後は1.44を挟んだ神経質な取引が続いている。独欧の5月製造業PMI確報値がいずれも下方修正されたことも重石だった。
NY市場は、リスク回避的な雰囲気が強まり、円買い・ドル買いが優勢となった。この日発表された米ADP雇用指標や製造業景況感指標が弱い内容となったことで、市場では米景気減速懸念が更に強まっている。NY株式市場でダウ平均の下げ幅が200ドルを超えるなど大幅安となり、また、原油も同様の動きを見せる中、為替市場もリスク回避的な動きが強まった。ユーロ円は117円台から115円台に下落し、ドル円もここ数日のサポート水準である80.70近辺まで値を落とす動き。ギリシャ問題が気になるユーロドルも序盤は逆行高となったが、後半になって高値から100ポイント超下落し、1.43台前半まで下落。ムーディーズがギリシャ国債をB1からCaa1に3段階格下げしたこともユーロを圧迫した。本日のADP雇用統計は雇用増加数が市場予想の17.5万人に対して、結果は3.8万人と予想から大きく下方乖離した結果となった。これを受けて各金融機関は週末の米雇用統計の非農業部門雇用者数(NFP)の予想を下方修正している。ゴールドマンサックスは従来の15万人増から10万人増へ、クレディスイスは18.5万人増から12.0万人増へ、など。

(2日)
東京市場で、ドル円は上に往って来いの展開。朝方は昨晩の下落の反動もあり買いが優勢となり81.00と81.30にあったというストップロスのドル買い注文をこなし81.33近辺まで上昇した。午後に衆院本会議で採択される内閣不信任決議案の行方を嫌気した円売りも入っていたようだ。ただ単なる買戻しの動きだったようで81.30台を付けた後はじりじり値を落とし、午後に入ると再び81.00を割り込み80.80台まで下落した。正午過ぎの民主党代議士会で菅首相が震災対応を目処に退陣すると言及、また鳩山前首相が首相に同調、小沢グループは自主投票となったことが伝わったが為替・株式市場で特段の反応は見られなかった。ただ債券市場では財政再建に目処が付くのではとの期待から国債が買われ利回りは低下した。ユーロドルは早朝、昨晩の流れを引き継ぎ売りが先行、1.4300台まで下落したがその後は巻き返しの買戻しが優勢となり1.4360台まで反発している。豪ドルは予想より良かった豪州4月の小売売上高を好感して買われ、豪ドル/ドルは1.0620台から1.0650台、豪ドル円は86.30台から86.50台まで上昇した。一部では来週7日の政策金利発表で利上げがあるのではとの見方も出ている。ただ、買いが一服すると値を戻し、指標前のレベルを下回る水準に下落している。
ロンドン市場は、ドル安が進行した。特にユーロドルやポンドドルが主導する形で上昇している。この日は主要な欧州経済指標の発表に欠ける材料難のマーケットだったが、ポンドが英建設業PMIに反応した。5月のデータが54.0と予想53.5を上回ったことでポンド買いが広がり、ポンドドルは1.63台前半から一時1.64台乗せ、ポンド円は132円割れ水準から132円台後半まで上昇した。これに連動する形でユーロも水準を上げた。ユーロドルは前日高値を越えて1.44台後半へと上昇、ユーロ円は一時117円台を回復した。ユーロ買い材料はややハッキリしなかったが、市場ではスペイン債入札が順調だったことや、ギリシャ政府が中期財政計画を受諾したこと、トリシェECB総裁のユーロ財務省構想などが取り沙汰されていた。一方、欧州株は前日の米株安を受けて下落。また前日にムーディーズがギリシャを格下げしたことで、ポルトガルとアイルランドの国債保証コストが過去最高となるなどソブリンリスクは深刻化している。ユーロドルにとっては、ポイントとなる1.44台半ばの売りをこなして前日高値を抜けるなどフロー中心の動きもあったようだ。また、ドルインデックスが一時74.29と5月6日以来の低水準になるなどドル安相場の面も強かった。ドル円は80.70レベルへと水準を切り下げている。
NY市場は、ドル売りが優勢となった。序盤は米週間石油在庫統計を受け商品市場が崩れたことや、米国債利回りが上昇していたことから、ドル買いが優勢となる場面も見られたが、後半になって一部報道で、ユーロ各国高官が対ギリシャの新たな3ヵ年調整計画で原則合意したと伝わったことから、ユーロ買いが強まる中、ドルは売りが優勢となっている。欧州委員会はこの報道を否定したものの、それに伴うユーロ売りは一時的だった。また、隠れたリスクとなっている米債務上限引き上げ問題で、ムーディーズが数週間以内に進展がなければ、米国債の格下げ方向での見直す可能性を示唆していたことも、ユーロをフォローした。ユーロドルは心理的節目となっている1.45を一時回復し、ユーロ円も序盤の116円台半ばから117円台に戻す動きとなった。一方ドル円はドル売り圧力が強まったものの、クロス円の上昇に支えられた格好。前日のレベル感は維持されている。

(3日)
東京市場では、ドル円、クロス円はじり安の展開だった。ただ前日NY市場のレンジは抜け出せず、小動きが続いた。米格付け会社ムーディーズは昨晩、米国債の格付けを引き下げ方向で見直す可能性があると指摘。また今晩の米雇用統計は弱いとの見方が多く、市場はドル売りに傾いているという。ドル円は早朝81.01レベルで始まった後は80.60台までじりじり値を下げた。つれてクロス円も軒並み下落している。午前11時過ぎには今晩のビッグイベントを前に膠着状態となった。ユーロドルは前日の流れを引き継ぎ1.4510台に上昇する場面があったもののすぐに値を戻し、大方の時間を1.4480台で推移した。豪ドル/ドルは一時1.0710台に上昇。ビールの「コロナ」を醸造するメキシコのグルポ・モデロと同業の米モルソン・クアーズは、豪州のフォスターズ・グループに共同買収案を提示する方向で検討している、との報道に反応した。
ロンドン市場は、米雇用統計が前回より弱い結果になるとの警戒感から円買いが先行している。ドル円は80.70-80から80.53レベルへと水準を下げ、5月13日以来3週間ぶりの安値水準で取引されている。リスク回避の動きから原油先物が100ドル台から99ドル台へと軟化、資源国通貨を圧迫している。豪ドル円は86円台前半から85円台後半へ、カナダ円は82円台半ばから82円台前半へとじり安の動きとなった。英サービスPMIが予想を下回ったことでポンド円も132円近辺から一時131円台前半まで下げる場面があった。スイス買い傾向もみられ、ドルスイスは0.84台半ばから0.84ちょうど近辺まで下げる動きをみせた。一方、ユーロは比較的底堅く推移している。ユーロドルは1.44台半ばから1.45近辺へと小幅に上昇。対ポンドで強含む動き。ギリシャ支援を巡るEU/ECB/IMFの三者が協議中で、期待感もあるようだ。
NY市場はドル売りが優勢となりユーロの上昇が目立った。朝方発表になった米雇用統計が予想以上に弱い内容となったことで、景気減速への警戒感からドルは売られる展開となった。一方で、リスク回避的な雰囲気も強まったことから、発表後、ユーロは一旦大きく下落する場面も見られた。しかし、ギリシャ支援が合意したと伝わると、ユーロは勢いを復活させ、ストップを巻き込んで、ユーロドルは1.46台まで上昇。その動きに連れられて、豪ドルやカナダといった資源国通貨も指標発表後の下げを取り戻す動き。

ドルが下落、予想下回る雇用統計が重し=NY外為市場


[ニューヨーク 3日 ロイター] 3日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが売られた。この日発表された5月の米雇用統計が弱い内容となったことで、米経済の著しい減速が裏付けられた格好となった。ドルは今後も弱含む展開が予想されている。

米国をめぐる懸念とは対照的に、ユーロは対ドルで1カ月ぶり高値に上昇。ギリシャに対する次回融資が実施され、同国が債務再編を免れるとの楽観的な見方がユーロを支援した。

欧州連合(EU)と欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)はこの日、共同声明を発表し、ギリシャに対する次回融資について、7月初旬にも実施されるとの見通しを明らかにした。これを受け、ユーロが買われた。

電子取引システムEBSで、ユーロ/ドルは一時1.4643ドルまで上昇し、その後は1%高の1.46336ドルをつけている。

週間ではユーロ/ドルは2.2%の上昇となり、週間の上昇率としては1月16日の週以来の大きさとなった。

ドルは対円では1カ月ぶり安値をつけ、その後は0.8%安となる80.20円にやや値を戻している。ドル/円は米国債利回りの低下に伴って下落した。週間ではドルは対円で0.7%下落。

一方、スイスフランに対しては過去最安値をつけ、直近では0.9%安の0.8350スイスフラン。

主要6通貨に対するICEフューチャーズUS(旧NY商品取引所)ドル指数は73.742で、週間では0.8%下落となった。

この日発表された5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比5万4000人増と、市場予想の15万人増を下回り、前年9月以来の小幅な伸びにとどまった。

また失業率も9.1%と、前月の9.0%から悪化した。

欧州中央銀行(ECB)は来週9日の理事会で、インフレに対し「警戒(vigilance)」という表現を用いて、7月の利上げを示唆するとみられており、これがさらにユーロの追い風となる可能性がある。一方で、ドルの上値余地は乏しい。

クラリティFXのシニア通貨ストラテジスト、ギャレス・シルベスター氏は、今後の展開に関して「ECBの理事会が開催されることもあり、金利差が焦点となると指摘した。その上で、投資家は「債務問題は忘れるだろう」との見方を示した。 

同氏はドル指数が76.5を上回る水準まで上昇するまでは、ドルの上値は限られると予想している。