2011年6月4日土曜日

ドルが下落、予想下回る雇用統計が重し=NY外為市場


[ニューヨーク 3日 ロイター] 3日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが売られた。この日発表された5月の米雇用統計が弱い内容となったことで、米経済の著しい減速が裏付けられた格好となった。ドルは今後も弱含む展開が予想されている。

米国をめぐる懸念とは対照的に、ユーロは対ドルで1カ月ぶり高値に上昇。ギリシャに対する次回融資が実施され、同国が債務再編を免れるとの楽観的な見方がユーロを支援した。

欧州連合(EU)と欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)はこの日、共同声明を発表し、ギリシャに対する次回融資について、7月初旬にも実施されるとの見通しを明らかにした。これを受け、ユーロが買われた。

電子取引システムEBSで、ユーロ/ドルは一時1.4643ドルまで上昇し、その後は1%高の1.46336ドルをつけている。

週間ではユーロ/ドルは2.2%の上昇となり、週間の上昇率としては1月16日の週以来の大きさとなった。

ドルは対円では1カ月ぶり安値をつけ、その後は0.8%安となる80.20円にやや値を戻している。ドル/円は米国債利回りの低下に伴って下落した。週間ではドルは対円で0.7%下落。

一方、スイスフランに対しては過去最安値をつけ、直近では0.9%安の0.8350スイスフラン。

主要6通貨に対するICEフューチャーズUS(旧NY商品取引所)ドル指数は73.742で、週間では0.8%下落となった。

この日発表された5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比5万4000人増と、市場予想の15万人増を下回り、前年9月以来の小幅な伸びにとどまった。

また失業率も9.1%と、前月の9.0%から悪化した。

欧州中央銀行(ECB)は来週9日の理事会で、インフレに対し「警戒(vigilance)」という表現を用いて、7月の利上げを示唆するとみられており、これがさらにユーロの追い風となる可能性がある。一方で、ドルの上値余地は乏しい。

クラリティFXのシニア通貨ストラテジスト、ギャレス・シルベスター氏は、今後の展開に関して「ECBの理事会が開催されることもあり、金利差が焦点となると指摘した。その上で、投資家は「債務問題は忘れるだろう」との見方を示した。 

同氏はドル指数が76.5を上回る水準まで上昇するまでは、ドルの上値は限られると予想している。