20日からの週は、ユーロに下値不安がくすぶる。ギリシャ問題をめぐる各当事者の動向が最重要。一部報道によると、17日に発表されたギリシャの新内閣に対する信任投票が現地時間21日夜に実施される見通し。与党は国会で過半数を維持しているが、足元では政府の政策に反対して離党する与党議員も出ている。離党の動きが加速すれば信任案が否決されることも考えられる。その場合はギリシャ向けの金融支援をめぐる事態がさらに混乱し、ユーロ売りがいっそう強まるだろう。
大手金融機関では、「このところ、ユーロ安の進行を見込んだオプション取引の需要が高まっている。ユーロ・ドルは1.4ドルの大台を割り込むこともあり得る」と話した(ユーロ・ドルは日本時間17日午後4時現在、1.4170ドル近辺で推移)。
もっとも、19-20日にユーロ圏財務相会合、23-24日にEU(欧州連合)首脳会議の開催が予定されており、これらの会合でギリシャの支援策をめぐる議論に進展がみられればユーロが底堅く推移することも予想される。欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)は16日に総額1100億ユーロ(約12兆5000億円)のギリシャ向け金融支援のうち第5弾となる120億ユーロの融資を19-20日のユーロ圏財務相会合で決定すると発表。実際に同融資の実施が決まれば、ギリシャの当面の資金繰り問題は解決される見込みのため、いったんユーロが買い戻される可能性がある。
ドル・円はレンジ相場か。直近の高値(15日の高値81円06銭)と安値(8日の安値79円67銭)の間で推移すると予想する。「来週もギリシャ問題とユーロの動向が焦点になるとみられ、ドル・円は動意に乏しい展開となろう」(前出の大手金融機関)との見方があった。
21-22日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催される。6月末でQE2(第2次量的緩和)が終了することもあり、FRB(米連邦準備制度理事会)が7月以降の金融政策についてどのような方針を示すかが注目される。
ただ、市場では、「今回のFOMCでドル・円が大きく動くような材料は出ない」(同)といった声が複数聞かれた。「FRBがQE3(第3次量的緩和)の実施を迫られるほど米景気は悪くない。一方で、米経済の減速懸念がくすぶるなかで、FRBがQE2によって市場に供給した資金を回収に動くことを検討するとも思えない」(外為アナリスト)という。(坂本浩明)
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提供:モーニングスター社