18日からの週、ドル・円は強含みか。輸入企業の押し目買いが流入し、ドル・円の下値は限定的になるとみる。市場では、「輸入企業のドル買い意欲が強い。資源価格の高騰で足元では石油元売りなど普段の2倍ドルを買っている企業もある」(大手金融機関)との指摘が出ていた。
一方、東日本大震災の影響で、輸出企業は業績の先行き不透明感からドル売りを手控えている。前出の大手金融機関では、「震災の影響で日本の貿易収支や経常収支の黒字額が縮小するとみられるなか、円を積極的に買えなくなっている。ドル・円が来週に82円台前半まで下落するとはみていない」と話した。20日には日本の3月貿易統計が発表される。通常は日本の経済指標が為替市場で大きな材料となることは少ないが、貿易黒字額が市場予想(6454億円)を大きく下回る場合に円売りで反応するか注目したい。
もっとも、25日からの週にFOMC(米連邦公開市場委員会)が控えていることもあり、それまではポジションを傾けにくいとみられる。ドル・円のレンジの上限は7日の高値85円54銭を想定している。
クロス円の値動きも重要。15日に発表された中国の1-3月期実質GDP(国内総生産)と3月の主要経済指標は軒並み市場予想を上回った。市場では、同日に中国人民銀行が預金準備率を引き上げるとの観測がある。実際に引き上げられたとしても為替市場での反応は限られると考えるが、週明け18日の中国株式の反応は注視したい。上海総合指数は15日に年初来高値を更新しており、18日に高値警戒感から売られれば、クロス円の重しとなろう。
ワシントンで開催されているG20(主要20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議では現地時間15日午後(東京時間16日早朝)に共同声明が発表される予定。震災後の日本支援でG20が結束することが明記されると報じられているが、報道通りの内容にとどまれば為替相場への影響は限定的となろう。
ユーロ・ドルは上値の重い展開か。12日以降は明確に1.45ドルを上抜けられずに伸び悩んでいる。来週も特段のユーロ買い材料がなければ一段高は見込みにくい。22日に米国や英国市場などが祝日で休場となるため、「これまで積み上げてきたユーロ買いポジションを連休前にいったん閉じる動きが出る可能性がある」(岡三証券 外国証券部外国債券グループ長・相馬勉氏)との指摘があった。(坂本浩明)
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提供:モーニングスター社