2011年3月20日日曜日

来週の東京外国為替市場見通し=福島原発にらみ継続、協調介入も1ドル84円突破にはドル高材料必要


予想レンジ:1ドル=80円00銭-84円50銭

21日からの週は、福島第一原発の事故に絡む混乱が収拾に向かう兆しが出ない限り、外国為替市場は同原発関連のニュースフローや各国株式の値動きに敏感に反応する展開が続くだろう。放射能漏えいへの危機感から投資家がリスク回避目的の円買いを強めた結果、ドル・円は日本時間17日早朝に戦後最安値を更新。一時76円25銭まで急落した。日本時間18日にはG7(主要7カ国)財務相・中央銀行総裁が電話会談を行い、協調介入の実施で合意。ドル・円は急回復を遂げたものの、福島第一原発の事故をめぐって事態が一段と悪化すれば、再びリスク回避の円買いが進む可能性は否定できない。

G7の協調介入に関しては、18日公表の声明文で「日本における悲劇的な出来事に関連した円相場の最近の動きへの対応」と明記され、今回の協調介入があくまで東日本巨大地震後の円急騰を受けた緊急の措置であることが示された。市場では「震災前の水準をさらに上回るようなレベルまでドル・円が上昇するのは難しいのではないか」(三菱東京UFJ銀行 市場営業部 シニアアナリスト・内田稔氏)との見方が出ている。

東日本巨大地震の前、ドル・円は84円ちょうどを上限とするレンジ推移となっていたため、84円台を固めるには新たな材料が必要になりそうだ。

しかし、ドルには弱い材料が増えつつある。投資家のリスク回避行動の鮮明化で米長期金利は足元で低下基調をたどっている。一方、バーレーンやリビアの情勢不安を材料視してNY原油先物は再び騰勢を強め、ユーロ・ドルは1.4ドル台を回復。NY原油先物が来週一段と上昇すれば、ドルはさらに圧迫されるだろう。

今週は福島原発の状況悪化への懸念からNYダウが16日に急落。外国為替市場は各国株式の値動きに影響され、米国の経済指標への反応はきわめて限定的だった。福島第一原発での事故をめぐる事態が収束に向かえば、マーケット心理も落ち着き、米経済指標を吟味するもとの相場つきになりそうだ。米経済指標では住宅関連指標(21日に2月米中古住宅販売件数、23日に2月米新築住宅販売件数)が発表されるほか、24日には週間新規失業保険申請件数が発表される。(和田崇彦)

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提供:モーニングスター社